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柴田直人(ANTHEM) 独占インタビュー Vol.2

これからの自分に大切なことを再確認させてもらえた。
自分の情熱の在りかを確かめることができました。

                                   

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柴田直人(ANTHEM)連載企画の第二回。ここからいよいよニューアルバムANTHEM feat. Graham Bonnet『EXPLOSIVE!! -studio jam-』の話題へ。この新作の根底には、柴田のグラハムへの敬意があり、グラハムの柴田への信頼があることが浮き彫りになる。敬意と信頼で結ばれるとは絆に他ならない。言葉にするのは簡単だが、長い時間をかけた一挙手一投足の積み重ね、一音一音の積み重ねによって築かれた関係。どちらか一方だけが望んでも得られるものではない。どちらか一方だけが先走っても育まれるものではない。つまり、絆とはセッションなのかもしれない。

 

──柴田直人にとってグラハム・ボネットとはどのようなヴォーカリストですか?

 

柴田:僕にとってグラハムはフェイバリット・ヴォーカリストです。彼がレインボーに参加した当時、大学生だった僕が最初に目にした写真は、横山やすしさんばりのリーゼントだったのでぶっ飛びました(笑)。で、アルバムを聴いたら、もっとぶっ飛んだ。レインボーという枠を越え、シンガーとして僕の心に深く刻まれました。彼が僕らANTHEMの楽曲を英語詞で歌う『HEAVY METAL ANTHEM』(2000年)に参加してくれてから、彼には何度も直接言っています、「もしもあのときあなたが参加してくれなければ、今、ANTHEMは存在していないだろうし、僕もここにはいなかった」と。

 

──ということは、恩人でもある?

 

柴田:そう言っても過言ではありません。だからこそ、今この状況で、グラハムとセッション感覚のレコーディングをしてみたいと思いました。彼と一緒にやることで、1999年に未来が開けたように、2020年もそうなるかもしれないっていう想いもあったし。シリアスなレコーディングでも、書き下ろしのオリジナル・アルバムでもなく、ジャムセッションのように気軽にできたらいいな、と思いました。こういう時だからこそ、自分たちが一番楽しめるやり方で録音をして、それをみなさんに提供することに意味があるのかもしれないとも思ったんですよ。で、グラハムにダメもとでオファーしてみたら、「歌うよ」と。

 

──長いつきあいの成せる業ですね。

 

柴田:そうかもしれません。収録曲にしても、「ANTHEMはあの曲とあの曲と…」みたいに、調整も順調でした。「歌う箇所は、森川と相談しながら決めてよ」とか。そうしたら「決めてくれて全く構わないよ。ただし、歌詞だけ準備しておいてくれよ。」なんて冗談を言い合いながら、グラハムが自分のバンドのプロモーションで来日する前にいろいろ整えました。今年9月から予定されているANTHEMの35周年ツアー、その最終日の東京公演にグラハムがゲスト出演してくれることが、2019年時点で決定していたのも大きかったかもしれません。その流れからのスピンオフとして、今回のANTHEM feat. Graham Bonnetでのレコーディングを捉えてくれたのかもしれないから。日本以上に欧米のほうが、音楽業界は契約が最優先なので、本来ならいろいろなハードルを越えないと、なかなか実現できないミッションのはずなのに…。なぜかすべてがスムーズでした。その最大の理由は、一口で言えば<つながり>だったんじゃないでしょうか。信頼関係。グラハムと最初に出会ったのが20年前。『HEAVY METAL ANTHEM』当時、音源データの送受信はおろか、まだメール環境も整っていなかったので、FAXでやり取りしていました。彼から「その後、調子はどうだい?」とFAXがきたり。僕は「マスタリングまで終わったよ」と経過報告をしたり。あと、もちろんジョークですけど、グラハムから「ところで俺はまだANTHEMのシンガーなのかい?」なんてFAXが送られてきたり(笑)。あの頃FAXでやり取りしていた話を、今回グラハムにしたら、覚えていてくれました。「そうそう。あの頃、ナオトからのメッセージがよくキッチンに届いてたよ」と。当時、FAXをキッチンに置いていたそうです(笑)。そういうことのひとつひとつの思い出もあって、今回のレコーディングの主旨を理解して快諾してくれたんだと思います。結果、スタジオでは本当に楽しい時間を過ごせました。これからの自分に大切なことを再確認させてもらえたし…。もっと言えば、この先も音楽を続けていける、ささやかな自信というか、活力をもらえました。自分の情熱の在りかを確かめることができました。ありきたりのようですが、そういう機会を作ってくれたANTHEMのメンバー、グラハム、あるいは西城秀樹さん、スタッフのみなさんに心から感謝しています。

 

──前向きですね。

 

柴田:そうなれたのも、グラハムとのレコーディングがひとつの大きなきっかけでしたし。もともとネガティヴなことを発信して、ある種の憂さ晴らしじゃないけど、それで自分がスッキリしたりするのは、性格的に嫌なんです。だから、ネガティヴな感情はあまり表に出さないようにはしています。その結果、たとえお気楽なヤツに見えたとしてもかまいません。ま、へそ曲がりなんでしょうね(笑)。この連載の前半、「やればできることが案外とある」と言ったと思います。へそ曲がりなりにやればできるものです(笑)。たとえばANTHEM feat. Graham Bonnetのミックスにしても、このご時世ですから、3密を避けてあまりスタジオには行かず、パソコン経由でエンジニアとやり取りもしました。やればできる。去年、海外のエンジニアと、同じ方法でミックスした経験値が大いに役立ちましたから、やればできることはやっておくべきだな、と改めて思いましたね。

 

 

インタビュー1:『クオリティーはしっかり維持しながら、自分たちが提供できるエンターテイメントは何か模索を続けている』

 

 

 

2020年9月7日発売予定
ANTHEM feat. Graham Bonnet
『EXPLOSIVE!! -studio jam-』

500セット限定 ANTHEMメンバー全員直筆サインカード付Tシャツ+CD+ボーナスDVD

CD+ボーナスDVD

 

【CD収録予定曲】
1. Gypsy Ways(WIN, LOSE OR DRAW)
2. Cryin’ Heart
3. Midnight Sun
4. Since You Been Gone
5. Lost in Hollywood
6. Desert Song
7. The Witchwood
8. Night Games

 

【DVD収録予定】
「Cryin’ Heart」ミュージック・ビデオ (東京でのレコーディング・ドキュメント映像)

 

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2020年6月1日発売

HIDEKI SAIJO with ANTHEM feat. Graham Bonnet

『ナイト・ゲーム2020』

 

【収録曲】

  1. ナイト・ゲーム2020 (Night Games) HIDEKI&GRAHAM BONNET Version
  2. ナイト・ゲーム2020 (Night Games) HIDEKI SOLO Version

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