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METAL WEEKEND 2019 DAY2

ZEPP DIVERCITY TOKYO / 2019/09/15

METAL WEEKEND 2019 DAY2

ZEPP DIVERCITY TOKYO / 2019/09/15

文:藤井徹貫 写真:Takumi Nakajima

METAL WEEKEND 2019 DAY2 ライヴレポート

9月14日と15日、BURRN!創刊35周年記念<METAL WEEKEND>がZepp DiverCity Tokyoで行われた。DAY 1ヘッドライナーがLOUDNESS。DAY 2がHammerfall。全世界のメタル・ファンから支持される、このビッグネームを旗印とし、さまざまな世代、さまざまな出身国、さまざまなアプローチ、さまざまなキャリアが一堂に会し、ヘヴィメタルの多様性(diversity)を体現した2日間となった。

 

 

前日に続きオープニングアクトを務めたのは、新生ガールズメタルバンドNEMOPHILA(ネモフィラ)。新人バンドと出会ったときの喜びは、完成度ではなく、可能性だ。オリジナル曲「Boom」にそれを感じた。高い志と広いのびしろが聴こえた。いつの日か、NEMOPHILA feat. Mari Hamadaなんてコラボが実現すること夢見たい。

 

 

16時。<METAL WEEKEND>2日目の幕が上がった。先陣を切ったのはMetal Souls。新進気鋭のギタリストNozomu Wakai(若井望)とレインボーでもボーカルを務めるロニー・ロメロを中心にした4人組。前日は、Bon Jovi「Born To Be My Baby」のカバーに意表を突かれたが、この日もいきなりやられた。いきなりのQUEEN。いきなりの「We will rock you」。おまけにFast version。コピーではなくカバーだから、これくらい驚かせてもらったほうがアガる。しかも、ゲイリー・ムーア「Over the Hills and Far Away」のカバーから、5弦バイオリンを駆使するロックバイオリニストAyasaがスペシャル・ゲストとして参加。これまたアガる。きっと天国のゲイリーもアガっていただろう。昨年、若井がNozomu Wakai’s DESTINIA名義で発表した「Judgement day」「Metal Souls」でも共演。ギターとバイオリンのバトルやユニゾンなど、ハイレベルなプレイが惜しげもなく繰り出され、もうアゲアゲが止まらない。近年、ガラパゴス化が著しいJ-POPだが、HR/HMは世界が視野に入っていると、未来に目をやり、さらにアガった。

 

 

二番手はBEAST IN BLACKが登場。昨日同様、「Cry Out For A Hero」から。しかし、ドライブ感が増している。確かなことは不明だが、場慣れしたせいか、前日の手応えが上々だったせいか、明らかにギアが一段上がっているではないか。1曲の中で立ち位置を入れかえるフォーメーションも、ギターやベースを振るアクションも、<一糸乱れぬ>という形容がピッタリ。もちろんオーディエンスもバンドのテンションの高さをすぐにキャッチ。2曲目の「Eternal Fire」からは、フロアのドライブ感も一段ギアが上がる。シーケンサーを走らせ、バンドの生演奏の裏側に16ビートを貼りつけていたのが「No Surrender」。電光掲示板型眼鏡(LEDスクリーン付メガネ)を使った演出は「Crazy, Mad, Insane」。オーディエンスのスマホが作るおだやかな波の中で演奏したのが「Ghost In The Rain」。バンド・リーダーでもあるアントン・カバネンの泣きソロは極上だった。結果、ラスト・ナンバーの「End Of The World」が終わったあとも、鳴り止まぬ拍手と歓声、賞賛と敬意。強面のボーカリスト、ヤニス・パパドプロスが一瞬ウルッときているようにも見えた。

 

 

続いてはチュニジアのプログレッシヴ・ヘヴィメタルMyrath(ミラス)。前日と同じ、冒頭の民族楽器の響きとベリーダンサーのシンクロだけで、異次元へ、異世界へ、異空間へとオーディエンスを連れ去る。「ASL」から「Born to survive」の流れも初日と同じ。だが、異次元感と言おうか、異空間感か、つまりバンドの核をなす部分が増幅されている印象だ。前出のBEAST IN BLACKに煽られたのか、火がついたオーディエンスに煽られたのか…。ひとつ確実なのは、ライティングの変化。音楽とのシンクロ率が初日より明らかに高い。その変化は、きっとMetal SoulsでもBEAST IN BLACKでも同じだったのだろうが、ライブに占める光の重要性がもっとも大きいMyrathで顕著になったと思われる。アラビックな要素以外でも、彼らはユニークだった。たとえばドラム。とてもメタル・バンドのそれとは思えぬセット。写真だけ見せられ、ガレージバンドと言われたら、納得してしまいそうだ。が、リズムの重低音はしこたま厚い。アンサンブルの成せる業か、シーケンサーに秘密があるのか、これもMyrathマジックだった。

 

 

DAY 2のヘッドライナーは、スウェーデン出身のHammerfall。デビュー20周年を経てもなお、メロディック・パワー・メタルを標榜し続けるピュアな兵たち。1曲目の「NEVER FORGIVE」から、大柄で屈強な男たちがヘッドバンキング。迫力満点。かつてヨーロッパの海を制したバイキングの末裔であるスウェディッシュならではの勇猛果敢なMETALだ。が、粗野ではない。表裏一体のように寸分の違いもなく合わさるツインギターのフレーズ。スウェーデン・サッカーの特徴が組織力であることと何かつながりがあるのだろうか。

 

「RIDERS OF THE STORM」で、最古参メンバーであるオスカー・ドロニャックが演奏したのは、アルバム・ジャケットのイラストにも登場した、紋章柄のハンマー型ギター。偏見じみているが、METALギタリストがPRSやSUHRなど抱え、ソフィスティケートされすぎてはいけない。機能性を求めすぎてもいけない。質実剛健。次がアクの強さ。その点でもオスカーは純粋なMETAL猛者だ。ボーカルのヨアキム・カンスが「少しクールダウンしようぜ」と言い、「ANY MEANS NECESSARY」へ。ところが、クールだったのは、冒頭のギター・アルペジオだけ。一転、高速リフ。怒涛の展開。あらゆる障害物をなぎ倒して疾走する雄々しさに血沸き肉躍る。

 

 

2016年リリースの『Built to Last』収録の「HAMMER HIGH」は、彼らのステージに欠かせない1曲になっているのだろう。キラーチューン。鉄板曲。新テーマ曲。ニュー・アンセム。いくらでも代名詞が思いつくほど圧倒的な1曲。♪HAMMER HIGH!!そう叫ぶごとにオーディエンスにも特別な力が宿っていくのがわかった。そして、「(WE MAKE) SWEDEN ROCK」だ。正真正銘、バンドの代名詞曲。フロアが大きく揺れる。北欧メタルのエッセンスを網羅。歌詞にも母国の偉大なる先達バンドの楽曲名が盛り込まれているという。締めは、スウェーデンの女子カーリングチームの応援ソングにもなった「HEARTS ON FIRE」。そのMVでバンドとカーリングチームが共演。ところどころコミカルでほっこりする内容。しかし、こちらは白熱のエンディング。漢、Hammerfall、ここにあり!

 

 

 

文:藤井徹貫

写真:Takumi Nakajima

 

NEMOPHILA

 

Metal Souls

 

Beast In Black

 

Myrath

 

Hammerfall

 

 

 

Setlist (2019.09.15)

 

NEMOPHILA

Trooper (IRON MAIDEN)

OIRAN (NEMOPHILAオリジナル)

Boom (NEMOPHILAオリジナル)

 

Metal Souls

We will rock you (Fast ver) (Queen Cover)

Final Countdown (Europe cover)

Fool for your loving (Whitesnake cover)

Looking For Love (MSF cover)

Over the Hills and Far Away (Gary Moore cover with Ayasa)

Judgement day (with Ayasa)

Metal Souls (with Ayasa)

 

Beast In Black

Cry Out For A Hero

Eternal Fire

No Surrender

Sweet True Lies

Crazy, Mad, Insane

Die By The Blade

Ghost In The Rain

Blind And Frozen

End Of The World

 

Myrath

ASL

Born to survive

You’ve lost yourself

Dance

Mersal

Wicked Dice

No holding back

Believer

Monster in my closet

Beyond the stars

 

Hammerfall

Never Forgive

One Against The World

Renegade

Riders Of The Storm

Any Means Necessary

Blood Bound

Hector’S Hymn

Last Man Standing

Let The Hammer Fall

Hammer High

(We Make) Sweden Rock

Hearts On Fire