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テスタメント チャック・ビリー(vo)
が語る独占インタビュー!

歴代最強ラインナップで制作した新作完成!
『エリックは常にマーシフル・フェイトから影響を受けて来たと思うよ。マーシフル・フェイトはキャッチーであると同時にヘヴィだろ?』

RELEASE INFO

文・取材:川嶋未来 写真:Stephanie Cabral

ベイエリア・スラッシュの雄、テスタメントがニュー・アルバムをリリース!「もっと速く、もっとスラッシュに」を合言葉に作られたというのだから、スラッシュ・ファンなら心が踊らぬはずがない。ヴォーカリストのチャック・ビリーに新作のことや昔話など、いろいろと聞いてみた。

 

 

 

ー ニュー・アルバム『タイタンズ・オブ・クリエイション』がリリースになります。過去の作品と比べてどのような点が異なっている、あるいは進化していると言えるでしょう。

 

チャック:前作とはわりと違った内容になっていると思うよ。もう何年も経っているからね。この作品は、スレイヤーのフェアウェル・ツアーが終わったあと9ヶ月間で仕上げようと決めて、ツアーをしながらもきちんとアルバムを完成させられるように作ったんだ。今回は各メンバーの貢献も大きかったと思う。アレックスが全部やるとかではなくてね。プロセスが違ったんだ。やり方は前作と同じく、スタジオをブッキングする前にデモを作り上げたりはしなかった。リフをたくさん用意してスタジオに入って、自分たちを追い込んでというのかな、色々と考えすぎないような状態で作った。だからほとんどの曲は、直感で書かれているんだ。たいてい第一印象が正しいものだから。曲は明らかに前作とは違うものだと思うよ。何かが違うんだ。

 

― アルバムを作る際に、こういう方向性にしようみたいなことは前もって考えるのですか。

 

チャック:唯一決めていたのは、「もっと速く、もっとスラッシュに」ということだけだったよ。ヴォーカルは基本的に同じ路線、もう少しメロディックで、ヘヴィではあるけどメロディックであるものにしたかった。

 

― 本作に関して、エリックが「マーシフル・フェイトのようなハーモニー」という表現をしていました。テスタメントにはもともとマーシフル・フェイトからの影響はあったのでしょうか。それともこれは新しい要素なのですか。

 

チャック:エリックは常にマーシフル・フェイトから影響を受けて来たと思うよ。マーシフル・フェイトはキャッチーであると同時にヘヴィだろ?

 

― 歌詞はどのようにして書くのですか。デル・ジェイムズと共作をしていますよね。今回はスティーヴ・スーザも共作クレジットされていますが。

 

チャック:デルとはおそらくもう20年くらい一緒に歌詞を書いてきてる。スティーヴは以前にバンドにいたから、どういうものを書けば良いのかよくわかっているし。ずっとこうやって歌詞を書いて来て、これまで一切の問題がなかったから、今回も同じようにリフやアイデアを送って歌詞を書いていったよ。

 

― 歌詞のトピックは誰が考えるのですか。

 

チャック:俺だよ。俺がアイデアやトピック、歌詞のパターンなんかを考える。そしてそれをデルに説明して、それで彼が発展させるんだ。

 

― 今回の歌詞は非常にバラエティに富んでいますよね。トピックはどのようにして考えるのですか。

 

チャック:最初は『ブラザーフッド・オブ・ザ・スネイク』のような未来的な歌詞にするつもりだったんだ。「チルドレン・オブ・ザ・ネクスト・レヴェル」を書いた段階ではそういう方向性になる可能性もあったのだけど、他の曲を書いて行くうちに、違ったフィーリングが出て来てね。「コード・オブ・ハムラビ」や「イシュターズ・ゲイト」などは東洋っぽいフィーリングがあるだろ。基本的には曲のフィーリングに合わせて歌詞を書いていったんだ。

 

― 「チルドレン・オブ・ザ・ネクスト・レヴェル」はヘヴンズゲート事件だし、「シティ・オブ・ジ・エンジェルズ」はリチャード・ラミレスですよね。

 

チャック:「シティ・オブ・ジ・エンジェルズ」は最後に書いた曲なんだ。これは最初は収録しないつもりだった。長くて、流れにはまらない気がしたから。この曲はデルが先に歌詞を書いていて、それを曲に合わせてみたら、とてもうまくいったんだ。スタジオで歌ってみたら、そこで曲に生命が宿った感じでね。曲を理解できたというか、結局はアルバム中良い方の曲ということになった。

 

― リチャード・ラミレスの事件は、やはり当時西海岸では大きな話題だったのでしょうか。

 

チャック:もちろんさ。いまだに事件が起こったところにヴァケーションで行くたびに、「ここではクレイジーな事件が起こったんだ」って、頭の片隅で思うよ(笑)。

 

― 「ドリーム・ディシーヴァー」は何についてなのでしょう。

 

チャック:逃れられない悪夢のことさ。悪夢を「ドリーム・ディシーヴァー」という女性で表したんだ。夢の中に囚われて、必ずしも良い、悪いと言えない方向へ、というかこれは歌詞が書けていなくて、スタジオで「ドリーム・ディシーヴァー」というのが浮かんだんだ。そこから発展させていったんだよ。

 

― サッキュバスについてではないのですか。

 

チャック:違うよ。ただの悪夢さ(笑)。

 

― では、「シンプトムズ」はどのような内容なのでしょう。

 

チャック:あれは心の病について。これは曲も歌詞もアレックスが書いた。去年はたくさんのミュージシャンがなくなったよね。アンソニー・ボーデインが鬱で自殺をしたということもあった。今は、お金持ちでも貧乏でも、あるいは有名人であっても関係ないんだ。

 

― 「フォース・プロフェット」は、聖書やキリスト教に対する批判ですか。

 

チャック:いや、あれはカートランド・マサカーについてさ。自分を神だと思った男が子供を家族を捕まえて、猿轡をして縛り上げて撃ち殺し、穴に埋めたという事件さ。

 

― アルバム・タイトルの「タイタンズ・オブ・クリエイション」は、これらの歌詞とどのようなつながりがあるのでしょう。

 

チャック:あまりないんだ。アルバムのタイトルは、実はアートワークが出来上がってから決めたんだよ。もともとは「チルドレン・オブ・ザ・ネクスト・レヴェル」というタイトルにしようと考えていたんだけど、アートワークに合わないと思ったので、いろいろなアイデアを出し合って、アートワークを提出しなくはいけない週になってやっとエリックかエリラン(カントール)が、おそらくはエリックだと思うんだけど「タイタンズ・オブ・クリエイション」というのを思いついたんだ。

 

― エリランには「こういうアートワークにしてほしい」という注文はしたのですか。

 

チャック:それもしていない。彼が自分で思いついたアートワークなのさ。彼のアイデアを、俺たちでファインチューンしたんだよ。最初は非常に暗いものだったので、それをもっと明るくポジティヴなものに変えてもらった。青を強調してポジティヴなものにね。まあでも基本的にはエリランがタイタンのアイデアを考えたんだ。巨人たちがDNAで人間を作っているようなアートワークで、これは『ブラザーフッド』的な、エイリアンや他の存在が人類を作り出している。おそらくエリランは、俺たちの過去の作品からイメージを作り上げたんじゃないかな。彼のスケッチを元に、俺たち、というか主にエリックがファインチューンしていったんだ。最初の段階では、よくわからなくて理解できないものさ。だけどディテイルが入って色もつくと、これは芸術作品じゃないか、みたいな感じだったね。

 

― ここ最近は、アルバムを4年ごとにリリースしています。これは故意なのでしょうか。

 

チャック:いや、ただのサイクルだよ。本当はこのアルバムはもう少し早くリリースしたかったんだけどね。スレイヤーのフェアフェル・ツアーに誘われたから。スレイヤーのフェアウェルとなれば、参加しないわけにいかないだろ。

 

 

― お好きな、あるいは影響を受けたヴォーカリストは誰でしょう。

 

チャック:俺はオールドスクールなクラシックなシンガーが好きだからね。ロニー・ジェイムズ・ディオ、ロブ・ハルフォード、ブルース・ディッキンソン。やはりこの3人からの影響は大きいよ。歌詞の面やスタイルでもね。もちろん彼らのマネをしようというわけではなく、自分のスタイルでやっているのだけど。このバンドに入ったときは、俺はもっとロックっぽいもの、UFOやスコーピオンズなどを聴いていて、もっとメロディックなシンガーだったのだけど、テスタメント、スラッシュのスタイルはまったく違うものだったからね。スラッシュ・シンガーになるにはどうすれば良いか、学ばなくてはいけなかった。だけど、俺は自分のメロディックなスタイルを、うまくそれに適用してきたんだ。

 

― スラッシュ・メタルとの出会いはどのようなものだったのでしょう。

 

チャック:初めて接したのは、エクソダスやメタリカ、あるいはスティーヴがいたころのレガシーだね。俺にとってはまったく新しいスタイルに思えた。さっきもいったように、俺はUFOのようなメロディックなロックっぽいバンドを聴いていたからね。だから、ギターがヘヴィでクランチーで、特に右手のピッキングがヘヴィだと思った。ドラムビートも本当速いし。ただ、ヴォーカルだけは理解できないと思った。メロディックなものばかり聴いてきたから。だから、このバンドに入ったときは、メロディの上を飛び回るのではなく、ビートに合わせて歌わなくてはいけなくて、だけど一度理解したら自分なりの歌い方、スラッシュ・ビートに合わせてメロディックに飛ぶというやり方がわかったよ。

 

― エクソダスやメタリカを聴いたのはいつ頃ですか。

 

チャック:スラッシュをたくさん耳にするようになったのは、83年か84年くらい。ある時プレーリーサンというスタジオで、自分のバンドのデモをレコーディングしていたんだ。そしたら隣のスタジオで、エクソダスが『Bonded by Blood』をレコーディングしていた。ちょうどポール・ベイロフのヴォーカル録りで、「隣では一体何が起こってるんだ?」って(笑)。その後、エクソダスもベイエリアでたくさんライヴをするようになり、メタリカが人気になって、スレイヤーがベイエリアにやって来たり。それでシーン全体がファストでヘヴィになっていったんだよ。

 

― やはり当時は何か新しいことが起こりつつあるという興奮を感じましたか。

 

チャック:当時はわからなかった。当時のサンフランシスコにはグラム・メタルやパンクのバンドがたくさんいてね。ところがスラッシュのシーンが急速に拡大すると、それらのグラム・バンドはベイエリアを去ってLAに行き、新しいジャンルの音楽が代りにシーンを席巻したわけだけど、俺たちも若かったからよくわかっていなかった。速い曲を書いてビールを飲んでるだけだったから(笑)。

 

― パンクというのはハードコアですか?当時サンフランシスコにD.R.I.がやって来たりとかがありましたよね。

 

チャック:D.R.I.もだけど、デッド・ケネディーズとか、多くのパンクやハードコアのバンドが当時ベイエリアでしょっちゅうライヴをやっていたんだよ。彼らにはアティテュードがあった。さっきも言った通り、当時ヘアメタルのバンドがたくさんいたけど、それとは違ってみんな皮ジャンを来てモヒカンにしてて。”Fuck the world”というアティテュードを持っていた。スラッシュ・メタルは音楽的にこういうパンクのアティテュードに対する回答という感じだったよ。もちろんモヒカンではなく、長髪に皮ジャンだったけどね(笑)。

 

― ハードコアはスラッシュ・メタルに音楽的影響を与えたと思いますか。

 

チャック:ベイエリアのバンドは影響を受けていたと思うよ。多くのバンドはアティテュードを持ってバンドを始めていたしね。

 

― 当時の「Metal Monday」などはもはや伝説ですが、そういった企画も見に行っていましたか。

 

チャック:「Metal Monday」も行ったし、Mabuhay GardensやRock on Broadwayとかで、日曜日のお昼に必ず何かやっていた。当時のベイエリアにはたくさんのライヴハウスがあったから。いつも何かやっていたよ。Keystone Berkeley、Ruthie’s Inn、Stone、Rock on Broadway、Mabuhay Gardens。本当にたくさんあった。Stoneに最初のバンドを見に行って、通りを渡ってRock on Broadwayにヘッドライナーを見に行くなんていうことをやっていたよ(笑)。同じようなファンが同じようなショウを見に行って、アフターパーティをやって。だからみんな顔見知りだったんだ。

 

ー ファミリーみたいなものだったのですね。

 

チャック:完全にそうだった。ライヴ後にみんなでポール・ベイロフの家や、みんながリハーサルをしているところに行ってパーティをやったりね。

 

― お気に入りのアルバムを3枚教えてください。

 

チャック:俺はクラシック・ロック・ガイだからね。UFOの『Strangers in the Night』。Thin Lizzyの『Live and Dangerous』。それから『The Number of the Beast』。

 

― では最後に日本のファンへのメッセージをお願いします。

 

チャック:みんなに会うのを楽しみにしているよ。俺たちは日本が大好きだからね。世界で一番礼儀正しいファンだから(笑)。また日本でプレイできるのを楽しみにしているよ。

 

文・取材 川嶋未来

写真 Stephanie Cabral

 


2020年4月3日 発売

テスタメント『タイタンズ・オブ・クリエイション』

通販限定 直筆サインカード付CD+日本盤限定ボーナスフルライヴCD+Tシャツ】 ¥8,500+税

初回限定盤 CD+日本盤限定ボーナスフルライヴCD】 ¥3,800+税

通常盤CD】 ¥2,500+税

【日本語解説書封入】

 

【メンバー】
チャック・ビリー(ヴォーカル)
エリック・ピーターソン(ギター)
アレックス・スコルニック(ギター)
スティーヴ・ディジョルジオ(ベース)
ジーン・ホグラン(ドラムス)

 

【CD収録予定曲】
01. チルドレン・オブ・ザ・ネクスト・レヴェル
02. WWⅢ
03. ドリーム・ディシーヴァー
04. ナイト・オブ・ザ・ウィッチ
05. シティ・オブ・エンジェルズ
06. イシュターズ・ゲイト
07. シンプトムズ
08. フォルス・プロフェット
09. ザ・ヒーラーズ
10. コード・オブ・ハムラビ
11. カース・オブ・オシリス
12. カタコームズ

 

【日本盤限定ボーナスフルライヴCD】
『LIVE IN TOKYO』2017.2.20 @Shibuya TSUTAYA O-EAST
01. Brotherhood of the Snake
02. Rise Up
03. Disciples of the Watch
04. The Pale King
05. Practice What You Preach
06. The New Order
07. More Than Meets the Eye
08. Dark Roots of Earth
09. Stronghold
10. Into the Pit
11. Over the Wall
12. D.N.R. (Do Not Resuscitate)
13. 3 Days in Darkness
14. The Formation of Damnation
15. Alone in the Dark

 

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