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ヤンネ“JB”クリストファーソン
(Grand Magus)
独占インタビュー

個人的にはこのアルバムには
俺のベストなギター・プレイが含まれていると思う
音楽的にも『Sunraven』というアルバムは
俺にとって大きな意味を持つものだ

                                   

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文:川嶋未来 写真:Johan Baath

元Spiritual BeggarsのJB(G, Vo)率いるスウェーデンのヘヴィメタル・バンド、Grand Magusが5年ぶりのニュー・アルバムをリリース!と言うことで、JBに話を聞いてみた。

 

 

ー ニュー・アルバム『Sunraven』がリリースになります。過去の作品と比べ、どのような点が進化、変化していると言えるでしょう。

 

JB:これは俺にとっては答えるのは難しいな。判断するのはリスナーなのだと思う。だけど、個人的にはこのアルバムには俺のベストなギター・プレイが含まれていると思う。今回初めてすべてのソロをフェンダー・ストラトキャスターで弾いた。最近はあのサウンドに本当にハマっているんだ。それからアルバムのヴァイブが、例えば『Wolf God』あたりとは違っていると思う。でもまあ俺たちのアルバムは毎回違ったフィーリングになっているだろうからね。パンデミックの後に「カムバック」して、10枚目のアルバムを作れたことについては、とても誇りに思っているよ。とてもスペシャルなことさ。そういう意味で、そして音楽的にも『Sunraven』というアルバムは、俺にとって大きな意味を持つものだよ。

 

ー 前作から5年が経過しています。これはバンド史上もっとも長いブランクです。

 

JB:時間がかかった一番の理由は、当然パンデミックさ。2年間、音楽をやるものにとって、すべての活動が止まってしまったからね。当時はメタルのことを考えることすらできず、基本的にヘンデルやベートーヴェン、バッハばかりを聴いていた。それからすべてを再開するのに、また長い時間がかかった。バンドとしてだけでなく、すべてのことに関してね。それに、新たなGrand Magusのアルバムを作るために、何らかのインスピレーションを受ける必要があった。俺たちは完全に感情に基づいているバンドなんだ。誰かに言われたからではなく、アルバムを作ろうという衝動を本当に感じる必要があるのさ。

 

ー 今回のアルバムは、『ベーオウルフ』にインスパイアされたコンセプト・アルバムとのことですが。 

 

JB:俺は子供の頃から『ベーオウルフ』を読んで育ち、常にそれに魅了されてきた。今回Grand Magusのフレームワークの中で、自分なりのその解釈をする時だと感じたのさ。端的に言うと、そのストーリーは、長い間デンマーク王を悩ませていたグレンデルという化け物を、北方のヒーローが退治するというもの。ベーオウルフがグレンデルを殺した時、その母親が復讐しようとしたので、ベーオウルフは彼女とも戦わなくてはならなかった。深い湖での激しい戦いの後、最終的に彼は勝利する。そしてベーオウルフは家に戻り、その地で50年間王として君臨する。だが、ドラゴンが彼の領土を脅かし始めたので、彼はドラゴンと戦い退治するのだけれど、致命的な傷を負ってヒーローとして死ぬんだ。今回のアルバムでは、このストーリーを音楽と歌詞の背景として利用している。だけど、一語一句改めてその話を伝えているのではなく、ただ俺自身の考えを述べているだけさ。敗北、勝利、生、死、美、恐怖などについてね。

 

 

 

ー バンド初のコンセプト・アルバムを作ろうと思ったきっかけは何だったのでしょう。

 

JB:そのアイデアはずいぶんと後になってから出てきた。レコーディングが始まった以降のこと。俺たちが使うスタジオはスウェーデンの西海岸の田舎にあって、ある時長い散歩をしながら、歌詞のことや音楽が俺をどこへ導くかを考えていたんだ。とてもインスピレーションを受けるプロセスで、こういうコンセプト・アルバムを作るのは今しかないと感じたのさ。

 

ー アートワークは何を表現しているのですか。 

 

JB:そうだな、まずあれは感情的なものなので、言葉で説明するのは難しいんだ。だけど、メインの人物はもちろんベーオウルフでありSunraven。俺にとってベーオウルフはSunravenであり、Sunravenというのは俺にとってのベーオウルフの名前なんだ。だから、タイトルトラックは彼について歌っている。海というのはこのアルバムだけでなく、俺たちにとってとても重要なもの。山や自然の描写もそう。このアートワークを手掛けたアンソニー・ロバーツは、俺たちの音楽、そしてそのコンセプトのフィーリングを完全に理解してくれた。素晴らしいアーティストさ。彼は14年の『Triumph and Power』以降の作品のすべてのアートワークを手掛けてれているよ。

 


ー 前作に引き続きStaffan Karlssonがプロデュースを担当しています。 

 

JB:彼との関係はとても良好だし、『Wolf God』を作った時もとても楽しかったので、また彼と仕事をしたいと思ったんだ。とても音楽的な人物で、俺たちの求めるものを瞬時に理解してくれる。それに彼のSweetspotというスタジオは、とても過ごしやすくて気を散らすことなくレコーディングがやれるところなのさ。広い部屋があるので、3人同時に演奏もできる。『Wolf God』もそうやってレコーディングしたんだ。その方が、バラバラにレコーディングするよりも、楽しくやれるんだよ。

 

ー では最後に日本のファンへのメッセージをお願いします。

 

JB:『Sunraven』を気に入ってもらえるといいな。このレコードにはたくさんの感情を込めたし、それが現れてもいると思う。Spiritual Beggarsで二度日本に行って、とても大好きな国さだけど、それももう20年くらい前のこと。Grand Magusとしてはまだ一度も日本に行けていない。ぜひ俺たちが日本に行ってライヴをやれるよう、声を挙げてくれ!

 

文 川嶋未来

 


 

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2024年10月18日

Grand Magus

『Sunraven』

CD

【CD収録曲】

  1. スカイバウンド
  2. ザ・ウィール・オブ・ペイン
  3. サンレイヴン
  4. ウィンター・ストームズ
  5. ザ・ブラック・レイク
  6. アワー・オブ・ザ・ウルフ
  7. グレンデル
  8. トゥ・ヘオロット
  9. ジ・エンド・ビロングス・トゥ・ユー

 

【メンバー】
ヤンネ“JB”クリストファーソン (ヴォーカル/ギター)
マッツ“フォックス”スキナー (ベース)
ルートヴィヒ (ドラムス)