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Frédéric Leclercq

ドラゴンフォース脱退、クリエイター加入!
フレッドがその理由を語る超独占インタビュー!

                                   

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川嶋未来

突如ドラゴンフォースを脱退し、ファンを驚かせたフレデリク・ルクレール。「ニュー・アルバム・リリース直前に一体なぜ?」と首をかしげた人も少なくなかっただろうが、その理由は何とクリエイター加入であった!フレッドのエクストリーム・メタル愛は広く知られているものであるが、それにしてもドラゴンフォースからクリエイターというのは、メタル史に残る意外過ぎる転身ではないだろうか。ということで、ドラゴンフォース脱退、クリエイター加入の両方について、フレッドにその「本音」を語ってもらった。

 

 

― 今回のインタビューでは、ドラゴンフォース脱退、そしてクリエイター加入について、ビジネス・トークではなく、本心を語っていただきたいのですが。

 

フレッド:なるほど、正直に真実を語って欲しいということだね。

 

― そもそもバンド脱退を考え始めたのはいつ頃だったのでしょう。そして脱退の決定的トリガーとなったのは、何だったのでしょう。

 

フレッド:うーん、トリガーか。まあバンドをやめようという考えは、ずっとあったんだ。いつも言っていたとおり、パワー・メタルは俺のお気に入りのジャンルではなかったからね。長いバンド生活では山や谷もあって、決して常に最悪な状況というわけではなかった。ステージに上がるのは楽しかったし、バンドのメンバーとは仲良くしていたし。ここ最近の2枚のアルバム、『マキシマム・オーヴァーロード』と『リーチング・イントゥ・インフィニティ』では曲作りにも積極的に参加して、バンドの方向性を変えていこうとしたのだけど、ニュー・アルバムでは結局異なる道を歩むことになってしまったというか。とにかくいろいろあってね。頭の中ではいつでも「このまま一生ドラゴンフォースのメンバーでいるつもりはない」と思っていたし。シンセイナムをやったことで、俺の心は別のところにあるということがはっきりわかったというのもある。音楽的に俺が本当に楽しめるのは、ドラゴンフォースとは違ったものだということがね。小さなことがいろいろと積み重なって、まず何より俺はパワー・メタルがあまり好きではないということ、シンセイナムをプレイしてみて自分の好きな音楽がよりはっきりわかったこと、あと(フランスのデス・メタル・バンド)ラウドブラストでもプレイしたしね。これこそが俺が本当に好きなものだって感じたんだ。ニュー・アルバムは、俺にとってはドラゴンフォースの昔のスタイルに戻ってしまった感じだった。それは俺が望むことではなかったから、あまり曲も書かなかった。アイデアも尽きていたし。俺が脱退するのは当然の帰結だったのさ。

 

― それにしても、アルバムの発売前というのは脱退のタイミングとしては最悪じゃないですか。少なくとも残されたメンバーにとっては。

 

フレッド:まあ、そうだね(笑)。だけど、バンドに残っていたら、今のようにハッピーではなかったよ。(クリエイターの)ミレから電話が来て、決断をせざるをえなかった。確かに君のいうように、タイミングは悪かったけど、俺はドラゴンフォースに多くのものを与えたと思うしね。俺ももう41だし、自分にとって何が重要であるのかを考える必要があったのさ。ミレから電話が来たのは、誕生日の翌日だったんだ(笑)。だから特別な瞬間だったというか。で、オファーが来たから決断をしなくてはいけなかった。アルバムのリリース前だし、ビデオも作ったばかりで、理想のタイミングではなかったけど、自分のキャリアを考える必要があったんだよ。自分が確信を持てないアルバムをサポートするツアーをやるというのは、正しいことだとは思えなかった。アートワークとかも含めてね。あれが悪いと言っているんじゃないよ。ただ、あれは俺ではないということ。他のメンバーにも何度も言ったんだ。ああいうのは俺の表現ではないって。40歳を超えて俺がやりたい表現ではないと。まさにそう言ったんだ。アートワークもビデオも。それで、「彼らとはいつも意見がぶつかっているな」と思った。彼らが言うことにすべて「ノー」と言っていた。だけど、否定すること自体が目的だったわけじゃないよ。本当に同意できなかっただけなんだ。だから、いずれにせよ俺はバンドを去っていただろう。だけど一方で、ミュージック・ビジネスの世界において、何のバックアップもなしにいきなりバンドをやめるわけにはいかないというのも事実。だから、俺も時期を待たなければいけなかった。そしたら素晴らしいオファーが来たんだよ。まるでサタンの啓示のように(笑)。これこそが俺にとっての正しいタイミングであって、このチャンスを逃す手はないと思ったのさ。その結果どうなろうとね。彼らにはずっと言っていたんだよ、俺はただのベーシストだから、代わりを見つけるのは難しくないだろうって。結果的にはお互いにとってよかったのさ。俺もずっとバンドにとどまっていたら、さらに苦痛だっただろうし。

 

― ミレから電話が来て、その場で即決したのですか。それとも少し考えたのでしょうか。

 

フレッド:その電話の最中に「イエス」と言ったよ。(笑)。俺はクリエイターを聴いて育ったし、エクストリーム・メタルの世界でクリエイターの存在がどういうものかはわかるだろう?ミレとは17年、18年くらいの友達だし。お互いを気に入っていて、それだけでもクールなことだからね。お互いのシチュエーションについて腹を割って話して。それにさっきも言ったとおり、電話が来たのが誕生日の翌日だったからさ、3時間くらいしか寝てなくて、そのせいでさっと決断をしたというのもあったかもしれない(笑)。ビジネスにおいては、すでに決断を下していても、「ちょっと考えさせてくれ」なんていうことも大切なのかもしれないけどさ。実際「ちょっと考えさせてくれ」と言ったような気もするけど、内容的には90%イエスと答えたようなものだった。ビジネス的に考えなくてはいけないものが少々あったけど、俺的には即断でイエスだった。

 

― クリエイターからいずれ誘いがあることは、ある程度予測していましたか。それとも完全なサプライズだったのでしょうか。

 

フレッド:正直なところ、完全なサプライズだった。あの日ミレから電話が来たのにはびっくりしたよ。

 

― 電話のあと、すぐにドラゴンフォースのメンバーには脱退を伝えたのですか。

 

フレッド:いや、確認したいこともあったから。契約的な面で。正しいタイミングで彼らに伝えなくてはならないからね。間違いなくクリエイターに加入するという状況になってから伝えたんだ。「俺バンド辞めるから」なんて言っちゃって、結局クリエイターも心変わりしたなんていうことになったら最悪だろ。もうクリエイターに加入することが決まっている状況で、ライヴを一度やったのだけど、やっぱり居心地が悪くてね。彼らには、メキシコのショウの前に伝えたんだ。スマホに言いたいことを全部書いて。感情に流されて言いたいことが言えないなんていう状況にならないように。それで書いた通りに「バンドを辞める」と告げたんだ。クリエイターに入るとは言わず、俺にとってもっと良いバンドに入るとだけ伝えた。わかって欲しいと告げて、彼らもわかってくれた。それで別々の方向、別々の道(separate ways)を行くことになったんだ。フォリナーの曲のようにね。

 

ー ジャーニーですよ。

 

フレッド:ああ、そうだった(笑)。ショウの前に伝えれば、一緒にライヴをやれるのはあと三回しかない、最高のショウにしようと思ってもらえると考えたからなんだ。彼らに脱退を告げなくてはいけないというのは最悪の気分だったけどね。ガールフレンドと別れるようなものさ。14年連れ添って、愛し合ってはいないけど、嫌いでもない、だけど情熱は消え去ったガールフレンドとね。だから簡単なことではなかったけど、大きなドラマもなく、事は運んだ。さっきも話したとおり、バンドを抜けるタイミングとしては理想的ではないけれど、彼らも理解してくれたよ。

 

― メールとかではなく、面と向かって言ったのですね。

 

フレッド:そうだよ。メールでというのはクールじゃないからね。14年も一緒にバンドやってきたんだから、コンピューターに向かってメールをするのではなく、面と向かって言うべきだと思ったのさ。

 

― クリエイターに入るとは告げなかったのですね。

 

フレッド:言わなかった。俺にとってより良いバンドからオファーが来て断れないとだけ言った。ジーとマークには言ったんだけどね。でも彼らはサムとハーマンに教えなかったんだ。サムは一生懸命当てようとして、「誰と知り合いだっけ?マシーン・ヘッドか?いや違うな。ディム・ボルギル?」なんていう感じで。で次の日の朝食時に「クリエイターだろ!」ってサムからメールが来て(笑)。ジーかマークか誰かがヒントを出したらしいんだ。ドイツのバンドでスラッシュ・メタルをプレイしていてって。

 

― 彼らから慰留工作はなかったのですか。せめてアルバムが出るまではいてくれとか。

 

フレッド:俺のスピーチの中で、明確に脱退を表明したからね。残る意味がないというか、そもそもあと何回かのショウのために、新曲を覚えたくなかったし(笑)。ミュージック・ビジネスでの経験から、やめるときはスパッとやめた方が良いということも学んでいたし。それで、2回のヨーロッパのフェスティヴァルには出るけど、アメリカのツアーには参加できないと伝えた。その後のイギリス・ツアーでは、もしどうしても代わりが見つけられなければ俺が弾いても良いとは言ったのだけど、別のベーシストがプレイして、次はまた俺がというのもファンを混乱させるしね。だからスパッとやめることにした。あっという間の出来事だったから、はっきり覚えてないのだけど、サムが「君がやめないでいられる方法はないか?」と言ったかもしれない。俺が考えを変えることに意味はないし、それは彼らにとっても意味のないことだし、何より俺の心は完全に決まっていたから。

 

 

― 最後のショウはどうでした。いつもと違った感じでしたか。

 

フレッド:俺が笑顔だったところがいつもと違うところさ(笑)。とてもハッピーで、すべてを受け入れられる気持ちだった。何かうまく行かないことがあると、バンドを辞めるという決断は正しいものだったと思えたし、逆にうまくいったことについては、これこそ俺たちが14年間やってきたことだと思えたしね。悲しいということはなかったよ。最後のショウでは、マイクで感謝の気持ちも述べた。もし悲しい気持ちでも、それを隠しただろうけど、実際そんなこともなく、とても良い雰囲気だったよ。

 

― そもそもパワー・メタルが好きではないのに、ドラゴンフォースに加入したのはなぜだったのでしょう。

 

フレッド:俺はもともとヘヴンリーというパワー・メタル・バンドにいて、そこでハーマンや、ドラゴンフォースの元マネージャーと知り合ったんだ。ハーマンとは連絡を取り合っていたのだけど、そのうち俺はヘヴンリーを辞めて、Maladaptiveというスラッシュ・バンドをやっていた。ある日ハーマンから、ベーシストに問題があるので、ヘルプをやってくれないかと連絡が来たんだ。バンドに加入してくれではなく、ヘルプをやってくれと。ニューヨーク、ケベック、東京という、俺が行ったことのない場所でのライヴだったし、断る理由もなかった。俺がああいうスタイルの音楽を好きでないことは彼らも知っていたけど、それは問題じゃなかった。俺としても行ったことのない場所に行けるチャンスだったしね。ミュージシャンとして、こういうチャンスを断る手はなかった。3回のライヴをやって、それで終わりという可能性もあった。とても楽しかったよ、ユーモアのセンスも共有しているやつらだったし。次に彼らはヨーロッパ・ツアーをやることになって、インターネットで正式なベーシストを探していた。俺もメンバー探しを手伝ってあげたりしてね、だから、少なくともその時は、俺が正式メンバーとして加入するという選択肢はなかったんだ。でも結局ツアーが始まる直前になってもベーシストは見つからなくて、「君が参加してくれるか?エドガイとサバトンとのツアーなんだけど」って。エドガイとは前に一緒にツアーをしたことがあったし、彼らやドラゴンフォースのメンバーとツアーをするというのは面白そうだった。それでお金ももらえるわけだからね。断る必要もない。ツアーも1週間くらい過ぎて、すべてがうまくいっていた。俺はステージではベストを尽くし、思い切り楽しんで、思いっきり酔っ払ってなんていう調子で。ある日テーブルを囲んでランチを食べていたんだ。そしたらZPが振り返って「バンドに入らないか?」って聞かれたから「オーケー」と答えた。ただそれだけのことだったんだ。確かに俺の好きなジャンルの音楽ではなかったけど、楽しかったからね。ツアーをして楽しんでいた。パワー・メタルは好みではないけど、特に毛嫌いしているわけでもなかったし。「パワー・メタルなんてプレイできない!とても我慢できない!」というわけではなかったから。それでバンドのメンバーになって、最初の何年かは良かったのだけど、だんだんとキツくなってきた。「Black Winter Night」のような曲は気に入らなくて。ZPがバンドを去ったあと、『ザ・パワー・ウィズイン』の製作時には俺も深くアルバム作りに関わるようになって、「Seasons」とか、曲も書くようになった。この曲はファンもとても気に入ってくれてね。バンドの方向性を変えようと努力していたから、ファンが気に入ってくれたというのはとてもクールなことだった。『マキシマム・オーヴァーロード』と『リーチング・イントゥ・インフィニティ』ではバンドのブランドを別の方向に持って行こうと頑張ったんだ。これらのアルバムは、パワー・メタル色が薄いというか、少なくとも俺はそう信じたい。俺はスラッシュやプレグレッシヴ・メタル、さらにはデス・メタルやヘヴィメタル的要素を持ち込みたかった。つまり、自然とバンドに加入することになって、好きではないけど決して嫌いでもないスタイルをプレイしていたということだよ。色々なチャンスも得られたしね。それでバンドの方向性を変えてきたのだけど、ニュー・アルバムではまた元に戻ってしまったから、バンドを抜けるときが来たと思ったというわけさ。

 

― ミレがあなたを新ベーシストとして選んだ理由は何だと思いますか。

 

フレッド:うーん、似た者同士だからかな。去年フェスでも何度か顔を合わせて話をしたのだけど、いつもとても良いヴァイブが感じられるんだ。俺がドラゴンフォースの音楽性が好きでないことは、ドラゴンフォースのメンバーすら知っているくらいオープンだったから、ワインを飲みながら「パワー・メタルなんて勘弁してくれ」みたいなジョークを言ったり。あと、俺がシンセイナムをやっていることも知っていて、(シンセイナムの)『Repulsion for Humanity』では「Terrible Certainty」をパクった(笑)というか、故意にではないんだけど、それを聴いて「こいつはクリエイターのファンに違いない」と思ったのかもしれない。だけど、正直なところわからないな。似た者同士だと思ったのかもしれないし、「俺はルックスもいいしミュージシャンとして才能もあるし」なんて言うのはただの自画自賛だからね(笑)。わからないな。ドラゴンフォースを辞めるということは、何人かの友人には話したから、もしかしたらそれをミレがどこかで耳にした可能性はあるかもしれない。俺がクールだから俺を選んだんじゃないかな(笑)。真実はミレに聞いてもらうしかないよ。とにかく自分はラッキーだったと思う。

 

― 以前に「ベーシストが必要なら声をかけてくれ」みたいな雑談もなかったのでしょうか。

 

フレッド:なかった。少なくとも記憶にはない。例えば俺がSighのコンサートに行って、きっとバンド内にトラブルがあるだろうと想像して、「サックスプレイヤーが必要だったらいつでも声をかけてくれ」なんて言ったら、「何でこいつはそんなことを言ってくるんだろう?」っていぶかしがるだろ?だから、俺はそういうことは言わないんだ。ミレとした音楽的な話としては、シンセイナムにゲスト・ヴォーカルとして参加してほしいというくらいのもの。スケジュールが合わなくて実現しなかったけどね。シンセイナムでツアーしたときも、ベルリンだったかな、だけどベルリンはキャンセルになったな、まあとにかくどこかのショウにミレがやってきて、一緒に「Extreme Aggression」をやるはずだったんだ。バンドも曲を練習してあってね。この話は誰にもしたことがない。実現しなかったからさ。そのことがミレの頭に残っていた可能性はあるね。俺がクリエイターのファンだって。

 

― クリエイターを初めて聴いたときのことを覚えていますか。

 

フレッド:最初に聴いた曲は「Endless Pain」だったよ。

 

ー ファーストですね。

 

フレッド:そうなんだよ。だけど、俺はそこまで年とってないよ(笑)。あれは85年だっけ?

 

― そうです。

 

フレッド:だとすると俺は7歳で、メタルはまだ聴いてなかったから。ドイツのメタル・ハマーが出した『Metal Decade』という2枚組のCDに「Endless Pain」が入っていたんだ。両親と休みのときに買ったんだ。「これはブルータルだ!」って思った記憶があるよ。その後、若いころはアートワークってとても重要だろ?『Coma of Souls』のアートワークがとてもクールでさ。あれのTシャツを持っている友人がいて、とてもうらやましかった。それで『Renewal』が出て、そのビデオを見て、これはクールだしとてもダーティだと思った。それからさかのぼって、「Betrayer」や「Toxic Trace」なんかのビデオを入手して。アルバムも集め始めた。『Cause for Conflict』が出て、このアルバムは大好きだよ。最初に聴いたのが「Endless Pain」というのは良かったよ。ファースト・アルバムの曲だからね。

 

― クリエイターのお気に入りのアルバムはどれですか。

 

フレッド:さっきも言ったとおり、やっぱり『Cause for Conflict』。ミレはこのアルバムが特に好きということはないようだけど、このアルバムの曲を演奏できるのはとても楽しいよ。素晴らしいアルバムだね。『Extreme Aggression』も大好き。それから『Terrible Certainty』。このアルバムには「Toxic Trace」が入ってるから。この曲はめちゃくちゃでイントロがすごく長くてさ。この3枚が好きかな。最近のアルバムの曲も練習してるよ。最近はあまり新しいアルバムというのは聞かなくなっていて、クリエイターが新しいアルバムを出し続けていることは知っていたし、ライヴは見ていたけど、今ほど真剣に聴いたことはなかった。ところが聴いてみると、新しい作品もめちゃくちゃいいんだよね。最新アルバムも本当に良いよ。クリエイターみたいな長いキャリアを持つバンドが、最新作を最高傑作にできるというのは素晴らしいことだよ。

 

― 『Pleasure to Kill』はどうですか。

 

フレッド:いや、好きだよ。だけど(笑)、あのアルバムを聴いたのは、さっき挙げた3枚のアルバムより後だったからね。『Pleasure to Kill』は本当に荒々しくてイーヴルだよね。アルバムとしては素晴らしいし、「『Pleasure to Kill』は最高だ」なんてカッコつけて言うこともできるけど、でもまあ、正直に言うとさっき挙げた3枚のアルバムの方が好き。

 

― あれは86年当時最も激しいアルバムの1枚でした。

 

フレッド:実を言うと、次のアルバムは最高にブルータルでバイオレントな内容にしようって話しているところなんだよ。

 

 

― 彼らは今ニュー・アルバムを製作中なのですか。

 

フレッド:彼ら?それとも俺たち(笑)?まだ作り始めてはいない。ミレが曲を書いているところで、実は俺も曲作りをしているんだ。14年間ずっと同じバンドにいて、新しいバンドに入ったわけだから、ちょっと勝手が違って、「もし俺が必要ならば言ってくれ。でもこちらからは押し付けたくない」なんていう感じなんだ。バンドに加入していきなり、「やあみんな、俺はフレッド。これをやろう、あれをやろう」なんて言うのは馬鹿げているだろ?だけど、ミレから最初に電話をもらったとき、「君も曲を書くんだろ?」って言われたからね。「リフなどが必要だったら教えてくれ。押し付けはしないけど、君が望むだけの関与はするよ」という感じ。バンドの新しいチャプターに貢献できるなんて、最高にハッピーだよ。ミレが俺が何か貢献するだろうと信用してくれるなんて名誉なことさ。先日話したときに「リフがあれば送ってくれ」と言われた。次のアルバムは最高にブルータルなものになる予定だからね。今リフを書いているのだけど、それをミレに聞かせて、彼が気に入ってくれれば最高だ。だけど気に入らなくても、それは構わない。クリエイターはミレの脳ミソから生まれるものだしね。

 

― あなたはクリエイターに新たにどんなものをもたらせると思いますか。

 

フレッド:俺がクリエイターっぽいと思って作るものは、すでにクリエイターとは別物だ。俺のめちゃくちゃな脳みそを通って出て来たわけだから。俺がこのメタルにおける特定のスタイルを書こうと努めた時点で、すでにそれはクリエイターではないんだよ。別の人間が書いたものなのだから。もちろんバンドに画期的な新要素をもたらそうとは思わない。だけど、おそらくシンセイナムの2枚のアルバムが持っていたようなヴァイブ、つまりブラックやデスのタッチ、これらはクリエイターから影響を受けたものだから、これを俺がクリエイターに持ち込めば、円環になるということだね。どうだろう、とにかく最善を尽くすよ。

 

― まもなくクリエイター加入が発表になりますが、ファンによっては驚きだと思います。どのような反応があると思いますか。

 

フレッド:うーん、別にその発表が世界を変えるわけじゃないし、これだけ情報が氾濫していると、ニュースなんてすぐに忘れてしまうものさ。だから、俺にとっては重要な問題じゃない。シンセイナムを知っている人たちは、理解してくれるだろう。ドラゴンフォースのファンは理解してくれないかもしれないけど、それも別に問題じゃない。ドラゴンフォースをやめてクリエイターに入る。クリエイターは好みじゃない、なんて思う人もいるだろうけど、だからどうしたというだけのこと。俺は自分のためにこの選択をしたんだからね。シンセイナムをやって、これらのことを学んだんだよ。人がどう思うかはどうでもいい。今ではインターネットで色々な意見が目に入るだろ。俺はそういうものに影響をされないようにしている。古くからのクリエイターのファンは、俺が本当にバンドにふさわしいか疑うかもしれない。だけど俺自身ははっきりわかっているし、バンドのメンバーも楽しみにしてくれている。そういう疑いは、何度かショウをやれば消えていくだろう。リハーサルをしていると、とても居心地が良いんだ。シンセイナムやラウドブラストをやっているときみたいにね。ドレッドにしてコーンやリンプ・ビスキットに加入したわけじゃない。それだったらしっくり来ていないだろう。だけどクリエイターは、確実に俺が持つ要素の一部さ。俺はパワー・メタルをプレイするドラゴンフォースの一員として知られているだろうから、疑いを持つやつはいると思う。人々はカテゴライズをするのが好きだからね。まあどうなるか見守るよ。

 

― では最後に日本のファンへのメッセージをお願いします。

 

フレッド:この間、日本のファンに特別にメッセージを送ったのは、日本のファンは他国のファンよりも、ドラゴンフォースのラインナップに強い愛着を持っていると思ったからさ。とても大きな反響があって驚いているけれど、もちろん俺がバンドを抜けたことにファンを傷つける意図なんてない。俺は日本のファンを最高にリスペクトしている。これは日本向けのインタビューで必ず言ってるから、わかってくれていると思うけど。がっかりした人がいるのもわかる。俺も若いころ、バンドの構成が変わると、とても残念に思ったものさ。だけど、これは人生におけるいかなるシチュエーションでも同じこと。仕事でも人間関係でも、去るべきときは去らなくてはいけない。自分で決断をしなくてはいけないんだ。そして、人々はそれを理解してくれるだろう。音楽の世界では特定のイメージに強い愛着を持つものだけど、人々にはなぜ俺がバンドを抜けなくてはいけなかったのを理解してもらいたい。ぜひドラゴンフォースのニュー・アルバムを聴いてくれ。俺が書いた曲は良いよ(爆笑)。日本のボーナストラックも俺が書いた曲だしね。気に入ってくれるといいな。クリエイターとして、早く日本に行きたいよ。俺が心から好きな音楽を日本でプレイできる2度目のチャンスとしてね。もちろん「Edge of the World」、「Seasons」や「Through the Fire and Flames」のような曲をプレイするのが好きじゃなかったということじゃないよ。70%、80%でなく100%好きな音楽をプレイするのをとても楽しみにしている。シンセイナムで東京でプレイしたときも、本当にハッピーだった。まあ、俺はハッピーだということを顔に出すタイプではないけどね。クリエイターでまた同じことをやりたいよ。(Mary’s Bloodの)サキチャンとのプロジェクトもあるし、日本に行く機会はいろいろあると思う。俺のキャリア変更について面と向かって話したかったら、新宿に来れば俺を見つけられると思うよ(笑)。

 

文・取材 川嶋未来

 

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2019年9月25日 日本先行発売予定

ドラゴンフォース『エクストリーム・パワー・メタル』

【100限定サインカード付CD+ボーナスライヴDVD+Tシャツ】¥8,000+税

【初回限定盤CD+ボーナスライヴDVD】GQCS-90758~9 / 4582546590161 / ¥3,500+税

【通常盤CD】GQCS-90760 / 4582546590178 / ¥2,500+税

【日本盤ボーナストラック/日本語解説書封入/歌詞対訳付】

 

【CD収録予定曲】

  1. ハイウェイ・トゥ・オブリヴィオン
  2. コズミック・パワー・オブ・ジ・インフィニット・シュレッド・マシーン
  3. ザ・ラスト・ドラゴンボーン
  4. ハート・デモリッション
  5. トゥルーパーズ・オブ・ザ・スターズ
  6. レーザーブレイド・メルトダウン
  7. ストレンジャーズ
  8. イン・ア・スカイフォージド・ドリーム
  9. リメンバランス・デイ
  10. マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン

《日本盤ボーナストラック》

  1. ビハインド・ザ・ミラー・オブ・デス

 

【日本盤限定ボーナスライヴDVD (ダウンロード・フェスティバル2018)】

  1. アッシィズ・オブ・ザ・ドーン
  2. ジャッジメント・デイ
  3. クライ・サンダー

 

【メンバー】

マーク・ハドソン(ヴォーカル)

ハーマン・リ(ギター)

サム・トットマン(ギター)

フレデリック・レクレール(ベース)

ジー・アンザローネ(ドラムス)