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『THE BAY STRIKES BACK』記念
エクソダスの
スティーヴ・"ゼトロ"・スーザ(vo)が
来日セットやスラッシュ・メタル
最新のアルバムについて語る!

2日間セットは大きく変えるよ
でもファンが聴きたい代表曲は両日必ずやる

                                   

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文:川嶋未来 写真:Mikio Ariga

“2日間セットは大きく変えるよ。でもファンが聴きたい代表曲は両日必ずやる”

 

9月にZepp DiverCityで開催される『THE BAY STRIKES BACK』を記念し、エクソダスのスティーヴ・”ゼトロ”・スーザ(vo)が来日セットやスラッシュ・メタル、さらに最新のアルバムについても語る!

 

 

ー 『Bay Strikes Back』ツアーはすでにアメリカやヨーロッパで数度開催されていますが、そもそもこの企画は誰が思い付いたものですか。

 

ゼトロ:チャック・ビリーのおかげさ。彼とはとても良い友達で、『The Formation of Damnation』以降、いつも彼らのためにいくつか歌詞を書いているし、Dublin Death Patrolもある。とても近い関係なんだ。チャックからまず話を聞いて、とても良いアイデアだと思った。世界中みんなベイエリアのスラッシュ・シーンが大好きだし、その気持ちもよくわかる。デス・エンジェル、エクソダス、そしてテスタメントを一気に見られるなんて、ファンにとって素晴らしいことだからね。エクソダス、おそらく他のバンドにとっても、最も成功したツアーなんじゃないかな。ショウはどこもソールドアウトで、「まあ半分、3/4は埋まってるかな」みたいなことは一度もなかった。毎晩満杯だったよ。メタリカやフォービッドゥン、ヴァイオレンス、ポゼスト等、ベイエリア出身のバンドのファンであれば、このツアーはなかなか良い、当時のバンドのパッケージさ。どのバンドも新しい曲、オールドスクールな曲をカヴァーするセットをやっていたし。楽しいよ。あいつらとツアーをするのはいつも楽しみなんだ。マーク、テッド、ロブ、ダミアン、テスタメントのメンバー、みんな大好きさ。俺はレガシーにいたからね。俺の最初のバンド。そういうつながりもある。

 

ー テスタメント、デス・エンジェルという長年の盟友とのツアーは、やはり特別なものですか。

 

ゼトロ:他のバンドとツアーする場合、ただドレッシング・ルームのドアを開けて入っていけばいいなんていうこともある。テスタメントやデス・エンジェルとはそんな感じ。境界線なんてなくて、みんなで一緒にやれる。別々のバンドではなく、俺たちは一緒にシーンに登場したのだからね。みんなよく知っているんだよ。俺がやっているAC/DCのトリビュート・バンドのドラマーは、ウィル・キャロルだし、密接な仲間なのさ。

 

 

ー あなたのスラッシュ・メタルとの出会いはどのようなものでしたか。

 

ゼトロ:うーん、おそらく82年の初めか終わりかな、Old Waldorfで『Metal Monday』というのをやっていてね。月曜の夜にメタル・ショウがあったんだ。クラブはメタルの知識がなかったから、「オーケー、月曜の晩使っていいよ」って。そこでメタリカやエクソダスを見て、「ワオ、何なんだこれは!」って。俺はパンクロックが大好きで、その激しさや荒々しさとか、すべてが好きだった。一方でハードロックやヘヴィメタルも好きだった。基本的にスラッシュ・メタルはNWOBHMとジ・エクスプロイテッドやデッド・ケネディーズが混ざったものだと説明していたよ。俺にとってのスラッシュ・メタルとは、パンクロックの激しさや荒々しさと、NWOBHMやレインボー、UFO、スコーピオンズの複雑さ、ミュージシャンシップを混ぜ合わせたもの。1983年にデリック・ラミレスやエリック・ピーターソンに会った時、彼らはヴォーカルの入っていないデモを持っていて、聴いてみると「ワオ、何なんだこれは。他にこんなことをやっている奴らはいないぞ!」なんていう感じで、引き込まれたのさ。

 

ー ベイエリアにスラッシュ・メタルのバンドが多く現れた理由は何だと思いますか。Ruthie’s Innのようなクラブ、メタリカ、ハードコア・パンクなど、いくつかの要因が考えられますが。

 

ゼトロ:水のせいだなんて言ってきたけれどね。何だろう。60年代、ジェファーソン・エアプレーン、グレイトフル・デッド、Hot Tunaみたいなバンドの中心地になったのは何故か。同じものに興味を持つ素晴らしい人々のグループがあったからだと思う。フォービドゥン、レガシー、デス・エンジェル、ポゼスト、ブラインド・イリュージョン、誰がプレイしても、メタリカやエクソダスのメンバーが勢揃いしていた。みんながお互いにサポートしていたんだ。レガシーでプレイしていて、お客さんを見回すと、ジェイムズやラーズがいることが何度もあった。シーンとしても友人としても、親密だったんだ。週末でも平日でもライヴがあって、行けばみんなに会えた。幸運にもクラブもたくさんあったしね。ベイエリア、オークランド、サンフランシスコ、バークリー、サウスベイ、サンノゼ、どこにでもプレイできるところがあって、いつもギグが行われていた。こうなる運命だったと思うこともある。正直、ツアーをするようになる前は、世界中どこの都市にでも、13の凄いスラッシュ・メタル・バンドがいると思っていた。ところがツアーをするようになると、例えばLAにはハイラックス、ダーク・エンジェル、メガデスがいるくらい。ベイエリアだったら15くらいとても人気のあるバンドを挙げられたのに。世界の他のエリアでは、アメリカは言うまでもなく、こういうタイプの音楽をやっているミュージシャン、ましてや技量を持ったミュージシャンの数は少なかったんだ。

 

ー 当時のシーンの雰囲気がいかがでしたか。新しいこと、創造的なことが起こっているという感じでしたか。

 

ゼトロ:俺は感じていたよ。多くの人は懐疑的だったけれど。とても仲の良い友人、おそらくみんなが知っている人物だけれど、彼に「ゼトロ、メタリカはラジオでプレイされる以上の存在になると思う?」と聞かれたんだ。86年か87年頃かな。俺は「メタリカは世界で最もビッグなバンドになるよ」と答えたのだけど、彼は「ありえない。広く受け入れられる音楽じゃない」って。俺は「世の中がヘヴィになると、音楽もヘヴィになるものだ」と反論した。これは事実だからね。一つ質問させてくれ。今世界で一番ビッグなバンドは誰だ?そう、メタリカ。ロックやメタルに限ったことじゃない。世界一ビッグなバンド。テイラー・スウィフトやケイティ・ペリー、レディー・ガガよりもビッグ。世界一ビッグ。当時から何かが起こっているとわかっていたんだ。感じられたのさ。新しいサウンドだとわかっていた。レコード会社はベイエリアのすべてのバンドと契約していた。楽しい時代だったよ。

 

―  ビッグにはならなかったけれど、聴いておくべき当時のバンドはいますか。

 

ゼトロ:聞いたことあるかもしれないけど、Sacrilege B.C.。あまり知られていないけれど、本当に素晴らしい。モードレッドも得られるべき名声を得られていないと思う。彼らも本当に素晴らしい。最近ニュー・アルバムを出して復活したんだ。ブラインド・イリュージョンも素晴らしいバンドだと思ったな。デス・エンジェル、フォービドゥン、ヴァイオレンスのようなリスペクトを得られなかったけれど、彼らにはその資格がある。エクソダス、メタリカ、テスタメントのようなリーダーがいて、他にも十分知られなかったバンドはたくさんいて、タイミングや運命みたいなものもあるんだろうね。

 

 

“ゲイリー・ホルトはすでにリフを書き始めているよ。先日「リフを書きまくっているから指が痛い」って、みんなにメッセージが来た“

 

―   先日ナパーム・レコードへの移籍が発表になりました。なぜ長年ホームであったニュークリア・ブラストを離れたのでしょう。

 

ゼトロ:ニュークリア・ブラストとは20年くらい一緒にやってきて、変化の時だと感じだんだ。新しい相手とね。ニュークリア・ブラストのことは大好きだし、関係も良好で、何も悪いところはないのだけれど、去年からデズ・ファラーラ夫妻にローカル・マネジメントを任せていて、彼らはナパームととても良好な関係を築いているんだ。それで俺たちも、ナパームとならもっとうまくやれると感じたのさ。ニュークリア・ブラストとの関係が良くなかったということではないよ。彼らと話して、おそらく俺たちにとってその方が良いだろうと。ナパームもとても興奮していて、ニュークリア・ブラストと同じかそれ以上のディールを提示してくれて。俺たちのキャリアも後半に差し掛かっていて、何枚分のアルバムのサインをするべきかわからないし、今回は3枚だと思うのだけど、今の時代、3枚出すのに10年、8年かかるのかな。80年代は、毎年アルバムを出していたし、ブラック・サバスなんかは1年に2枚出していたよね。そういうことは、もはやない。俺はジューダス・プリーストの『Firepower』が大好きだけれど、あれが出たのは2018年の1月とかだよね?もう5年前さ。かつてとは違うんだ。今はもっとツアーに時間をかける。かつては各エリアに一度か二度行って、すぐに戻ってきて次のアルバムを作った。今は、俺たちなんて『Blood In Blood Out』のツアーを7年間もやったからね。あらゆるところに行ったよ。『Persona Non Grata』では、21年の2月からツアーを始めて、今年の2月まで続いて、ここ5ヶ月ほどは休みだったけれど、160のショウをやったよ。あらゆるところに2回ずつ行った。アメリカとカナダだけで95回ものショウをやったんだ。今は一枚のアルバムで、バンドを何回か見られるのさ。ナパームと一緒にやれるのはとても楽しみだよ。時に雰囲気の変化が必要だからね。

 

― ニュー・アルバム制作の予定はありますか。

 

ゼトロ:ゲイリー・ホルトはすでにリフを書き始めているよ。先日「リフを書きまくっているから指が痛い」って、みんなにメッセージが来た。ゲイリーはいつも「オープニング曲のリフができた。凄くヘヴィだぜ!」って言うんだ。俺たちは「アルバムのたびにいつもそれを言ってるよな。まあでも構わない、やってみよう」なんていう感じで(笑)。そう、ニュー・アルバムの曲は書き始めているよ。

 

ー 9月の日本でのショウですが、どのようなセットリストになるのでしょう。2日間かぶり曲無しという話を聞いていますが。

 

ゼトロ:その通りさ。まあエクソダスはあんまりそれをやりたくないのだけどね(笑)。どういうセットにするかは話し合っていて、やはりいくつかの曲は両日プレイするつもり。セットは大きく変えるけれど、2日目だけ来たファンが、「Bonded by Blood」や「Toxic Waltz」を聴けなかったら、怒ると思うだろう?さすがにそれはやれないし、やるつもりもない。違った曲をやるけれど、同じものもある。2日分のチケットを持っていないファンもいるのだから。いくつかの曲は、どんなセットであろうともプレイされるべきさ。「Bonded by Blood」と「Toxic Waltz」はプレイしないとね。ファンはこれらを聴きたいだろう?

 

 

 

文:川嶋未来

 


 

 

【公演日程】

■ THE BAY STRIKES BACK TOUR
2023年9月23日(土/祝) 開場 16:30 / 開演 17:30 東京:Zepp DiverCity Tokyo
2023年9月24日(日) 開場 16:00 / 開演 17:00 東京:Zepp DiverCity Tokyo
ACTS:TESTAMENT / EXODUS / DEATH ANGEL

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2021年11月19日発売

エクソダス

『ペルソナ・ノン・グラータ』

CD+DVD

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【CD収録曲】

  1. ペルソナ・ノン・グラータ
  2. R.E.M.F.
  3. スリッピング・イントゥ・マッドネス
  4. エリティスト
  5. プリスクライビング・ホラー
  6. ザ・ビーティングス・ウィル・コンティニュー(アンティル・モラル・インプルーヴス)
  7. ザ・イアーズ・オブ・デス・アンド・ダイイング
  8. クリックベイト
  9. コサ・デル・パンタノ
  10. ルナティック・ライアー・ロード
  11. ザ・ファイアーズ・オブ・ディヴィジョン
  12. アンティシード

 

【ボーナスDVD収録曲】

  1. ジャム・キャンプ