マックスとイゴールのカヴァレラ兄弟が、セパルトゥラの最初期の名作2作を再録!ということで、2人に話を聞いてみた。
ー 『ベスティアル・ディヴァステーション』と『モービッド・ヴィジョンズ』を再録しようと思ったのはなぜですか。
マックス:俺たちは初期のレコードが大好きなんだ。だけど、それを改めて録音し直したのは、あれらの作品の音質がよくなかったから。経験が無かったのさ!あれらの素晴らしい楽曲を、イカしたプロダクションで聴いたらどうなるだろうって興味深く思っていた。エクストリームなサウンドの、荒々しいスピリットを最高に生かしたままでね。
ー 確かに今回の作品はモダンでありながら最高に荒々しいプロダクションになっていますね。
マックス:John Aquilinoがエンジニアとしてレコーディングを担当してくれたのだけど、彼は完璧主義者で非常に知識もある。彼のスタジオが、俺たちにとってパーフェクトな雰囲気を作り出してくれたんだ。アーサー(リズク)のミックスと相まって、別世界からの錬金術みたいだったよ。アーサーはあの時代に引き戻してくれた。現代の素晴らしいサウンドでね。ギターも最高だし、イゴール(アマデウス・カヴァレラ)のベースも完全に狂ってる。あれらの曲を、改めてリアルなベースで聴けるというのはイカしているよ。
ー ドラミングについてはいかがですか。当時を意識して叩いたのでしょうか。それとも何も意識せず、自然に演奏したのでしょうか。
イゴール:とても自然に演奏したよ。マックスとこれらの曲を再録できて、とても楽しかった。
ー 「アンチクライスト」などは85年当時、圧倒的な速度を誇っていました。なぜあそこまでのスピードに到達したのでしょう。当時、どのようなバンドから影響を受けていたのですか。
マックス:俺たちはヴェノムのスピードと、ヘルハマーの荒々しさ、そしてディスチャージのアティテュードが大好きだったんだ。これらの要素をすべて混ぜ合わせた結果が、「アンチクライスト」みたいな曲だったのさ。あれはまったく初めてのブラストビートのプロトタイプと言えると思う。
イゴール:『ベスティアル・ディヴァステーション』をレコーディングした時、俺はまだ14歳だったから、自分のドラミングの限界を推し進めることにとても興味があった。できる限り速くプレイしてみようってね。ヘルハマー、ヴェノム、バソリーみたいなバンド、ドラマーで言うと、デイヴ・ロンバード、フィル・アニマル・テイラー、アバドンなどからインスピレーションを受けていたよ。
ー 例えばOlho Secoのようなブラジルのハードコアからの影響はありましたか。
イゴール:もちろん。特にR.D.P.、BRIGADA DO ÓDIO、OLHO SECO、そしてLOBOTOMIAからの影響は大きかった。
ー 今回再発にあたって、「セスタ・フェイラ・13」、「バーン・ザ・デッド」という未発表曲が追加されています。これらは当時の曲なのですか。それとも今回新たに書き下ろされたのでしょうか。
マックス:「セスタ・フェイラ・13」のサビは記憶にあったんだ。Barrolicheという会場でやった俺たちの初めてのショウで演奏した曲。だけど、当時誰もショウを録音していなかった。まだインターネットもない時代だったからね。だから、歌詞やリフの一部は新しく書いたよ。「バーン・ザ・デッド」では、ディスチャージのギタリスト、ボーンズにギター・ソロを弾いてもらったよ。最高にヘヴィで究極のオールドスクール・コラボさ!
ー 現在の目で、オリジナル・バージョンのこの2作をどう見ますか。
マックス:オリジナルのレコーディングは新たなサウンドが必要だったということさ。曲自体は時代を超越した素晴らしいもの。こうやって新しいサウンドで聴かれるに値するものさ。荒々しいけれど素晴らしいサウンドでね。これらの曲をライヴでプレイしたら、とんでもないことになるだろうな!オリジナルよりもっとブルータル、もっと速く、もっと激しくね!
イゴール:ずっと言ってきたことだけれど、やっとこの2枚のレコードをふさわしいサウンドで聴いてもらえる。ライヴで演奏するのが待ちきれないよ!
文 川嶋未来
【CD収録曲】
- ザ・カース
- ベスティアル・ディヴァステーション
- アンチクライスト
- ネクロマンサー
- ウォリアーズ・オブ・デス
- セスタ・フェイラ・13*未発表曲
【メンバー】
マックス・カヴァレラ (ギター、ヴォーカル)
イゴール・カヴァレラ (ドラムス)